少子高齢化が深刻な社会問題になって久しい。それに伴う労働人口の減少を補填する対策の一環として、女性の社会進出を促す対策がいろいろと取られている。しかしいまだ女性に対する社会の受け入れは芳しい状況とはいえない。まだまだ、女性の仕事ぶりは「結婚すればすぐ辞めれる」といった気軽な気持ちで、働いているとしか見られないケースも多いようである。
生真面目に働く女性に限って女性であるということだけで軽く思われ、男性より仕事の上でストレスを感じるケースが多くある。ある大企業のアンケートの結果、カウンセリングが必要なほどストレスレベルが高い社員の比率が、男性社員の8.3パーセントに対して、女性社員は11.1パーセントと高かった。
健康を害して病気にならなくても、その予備軍は圧倒的に女性の方が多いのである。これは、職場での女性の待遇に起因しているところが大きい。まだまだ、男性優位の企業風土が、女性を「未病」状態。つまり、いつ健康を害して仕事に支障をきたすがわからない状況に追いやっていると考えられる。これはむしろ、企業の大きな損失につながる憂慮すべき点だ。
年代別にみれば、若年層になるほどストレスが高まる傾向がある。女性の職場環境は、改善途上にあるが、まだまだお話にならない状況が反映しているようだ。ストレスの具体的な要因としてあげられるのが、成果を正当に判断され昇進に結びつかないこと、あるいは「女性だから・・・」と、気を使われすぎて上司からあまり期待されないことだ。
適度なストレスは人間の成長に欠かせないという意見もあるが、健康を害してしまうほどの大きなストレスは避けなければならない。特に、女性の仕事の上のストレスは、想像以上に大きく膨れ上がっていることを忘れてはならないだろう。